【 3 】 雪城さくら





 やべぇ・・・。
 本気でやべぇ。



 なにがやばいって・・・



 (すげぇ・・・気持ちイイ・・・)



 声を必死で抑えようとしても、ゾロに胸の突起を弾かれるたび、
 「ふあっ、や、ぁあ・・・」
 と喉を震わせてしまう。



 『それ以上触るな』、と教師らしく、毅然とした態度で跳ね除けてやりたいのに、出るのは甘ったるい声ばかり。



 ゾロの愛撫が巧みなのか、
 快感に慣れないサンジの体が溺れやすいのか。




 今はもう、白衣は着たまま、ワイシャツだけを肌蹴られる、という正視に耐えない状態のなのに。



 「やじゃねぇだろ?ちゃんと気持ちいいって言えよ」
 なんてゾロが言うから、サンジの顔は耳まで真っ赤になる。



 言えるわけない。
 自慢じゃないが、恥ずかしがりやの天邪鬼は根っからだ。
 キスされてるときだって、充分恥ずかしかったのに。
 生徒に、しかも男に、乳首を弄られて善がってるなんて、死んでも認めたくない。
 ・・・と思うのに。




 相手がゾロだというだけで、とてつもない快感が全身を駆け巡る。




 「言わねぇなら、酷いコトするぞ?」
 「ひぁああっっ」
 いきなり胸の尖りをぎゅうっと摘まれて、思わず体が跳ねた。
 「ん?痛いのもスキなのか?ほんと、やらしいなぁ先生?」
 「や・・違っ・・ぁんっ!!」
 「違わねぇ。こうされんのもスキだろ?」



 片方をくりくりと指で捏ねながら、もう片方を舌でべろんと舐められる。
 そのまま、ぢゅうううぅっと強く吸われた。
 「ゃぁああっ!!やめっ・・ロロ、ノ・・アっ」
 ニヤリと笑うゾロの頭に、悪魔の角が見える気がする。
 涙目で、やめろと懇願してみても、火に油を注ぐばかりだということを、サンジは実体験で教わる羽目になった。




 おめぇのほうが、百倍やらしいわ!!



 立ったままで、乳首を舌で舐め回されながら、サンジは思う。
 もっとも、快感しか感じていないサンジの言えたことではなかったが。



 男には、無用の長物だと思っていた。



 乳が出るわけでもねぇ。
 何でついてんのか疑問に思うほどのそこが・・・
 なんで、こんなに・・・



 「先生・・・ココ、勃ってるぜ・・・」
 胸に熱い息を感じて、サンジはビクリと震える。
 ゾロの手が、スラックスの上から、勃ち上がった陰茎を撫ぜた。
 「おれに乳首弄られて、勃ったのか?」
 「・・ぅひ・・・・・」



 悪かったな!!
 つーか、キスされてるときからちょっと勃ってたよ!
 こちとら慣れてねぇんだよ!
 てか、キスもなんもかも、おまえが初めてなんだよこんちくしょーーー!!



 さっきから、解放を求めて雫を垂らしている陰茎を、ゾロに布越しに握りこまれて、
 サンジは驚きのあまり、ゾロの手を握った。



 ゾロを、制止する格好で。



 その瞬間、ゾロの目が、鈍く光ったのをサンジは見逃さなかった。



 「ロ・・ロノア・・・??」



 ゾロは無言で、己のブレザーのネクタイをしゅるりと解き、サンジの腕を掴むと、後ろに回させ一つに纏めた。
 サンジの後ろで、衣擦れの音。



 ・・・・・・え?  ええ??



 考えたくない。
 何されてるのかなんて理解したくはないが・・・。




 「・・・なんで縛る?」
 「・・・ん?酷いコト、してほしいんだろ?」



 獣のような餓えた瞳で見据えられて、
 ネクタイで後ろ手に縛られて



 ベルトを外される。



 ゾロの手がそこに滑り込んでくるのに、サンジは言いようのない感情を覚えた。






 ⇒4(刹那様へつづく)