【 20 】 比翼刹那様






 「教師なめんじゃねぇぞ、・・・ぁっ・この・・クソガキ・・」




 「とかなんとか言って、喘ぎ声混じってるぜ・・・サンジ。」




 そんなこたぁ分かってる・・・わかってんだよ、バカ野郎。




 しゃべりながらも手で躯を押さえながら快感のままに躯を上下に揺さぶる。




 「ば〜・ぁか・・んは・・、わざとだ・・ぁ・・ゃあ、・煽ってんだ・・」




 「・・・道理でエロすぎると思った。」




 こいつも案外余裕がないらしい。
 眉間に寄ったしわが一本多い。
 わかるさ・・・俺には。ずっと見てきたんだ、こいつを。
 積極的なのはゾロだったけど、俺はいつだってこいつを目で追ってた。




 「ゾロ・・・もう、イかせろよ。・・・・な?」




 上に顔を向けてゾロを見上げると、そのまま上に上げた手をゾロの首に回してゾロの頭を引き寄せキスして笑う。




 「てめぇは・・・っ・・煽りすぎだ、しらねぇぞ!」




 ぐるりと視界が回転したと思えば目の前にはゾロの顔。
 よくもまぁ、くるくると俺を何度も移動したり回転したり出来るもんだ。
 目の前にいるゾロを愛おしく感じそのままキスしようとしたのに、先に出たのは俺の喘ぎ声。




 「・・んぁあ・、ぁぁ・・、・はぁ・・ゾロ・激し・・」




 「うっせぇ・・・、お前が煽ったんだ・・手加減できるかよ!」




 ギュッっときつく抱きしめられて今更ながらにこいつの躯は大きいなとか思ってみたり。
 グチャグチャと淫靡な音に聴覚が麻痺したり。
 ぼんやりとした意識の中、ただ・・ただ、緑だな。とか思ったり。




 「ゾロ・・・ぁあ・・、・・ゃはあ・・ゾロ・・ぉ・・」




 「ばかっ・・・そんな、やらしく・・人の名前よんでんじゃねぇ!」




 重なった唇が温かかったり。
 息が苦しいのに、自分からゾロの舌を求めてみたり。




 「・・んふぅ・・はぁあ・・、ゃん・・ァ・ゾロ・・好き・・」




 「俺もだよ・・・サンジ。」




 いろんな事をしたのは覚えてるけど、何をしたかは覚えてない。




 覚えてるのは・・・




 「ゾロ・・・俺、も・・・ァ・・イ・・ちま・・ぁ・」




 「・・俺も・・、・・一緒な?」




 ただ、ただ・・・ゾロの名前を叫んだことと。




 「・・ぁ、・・あっ・・ッ・・はぁぁああああ!!!」




 「・・・んっ・・・く・・。」




 好きだ、好きだとうわごとのように言っていたという事だけだった。










 
⇒21(雪城へつづく)