マリモが、なんかいっぱい喋った。
まだ分かってなかったのか、とか
気付いてると思ってた、とか
ホモじゃねぇ、とか
可愛い、とか
抱きてぇ、とか・・・・・・
抱きてぇ。
・・・だきたい。
って、なんだ??
冬島。寒い日。ふたりは・・・ 4
「・・・あぁーーー・・・マリモ君、落ち着け?」
「あぁ!?落ち着けるかよ。言っていいっつったろ!おれぁとっくに限界超えてんだ!」
切羽詰った、低い声で。
余裕のない、獣じみた表情で。
睨まれて、怒鳴られているのに。
腿にゾロの昂ぶりを押し当てられ、
ゾクゾクと、愉悦がこみ上げる。
ゾロの顔が、照れたように赤いのは、きっと気のせいじゃない。
サンジに欲情しているように、見えるのも。
気のせいだとは、もう思わない。
「限界・・・って・・・」
小さく呟いて、ゾロの股間にそっと手を触れる。
そこは、これ以上ないってぐらい熱く滾っていて・・・。
「・・・・・・ぅあ」
(すげ、でけぇ・・・熱ぃ・・・)
ズボン越しにもはっきり分かるほど、屹立した性器。
なるほど、こりゃ限界だろ。
興奮を抑えきれず、 さするように手を動かすと、 ゾロは焦ったように腰を引いた。
「あんま・・・煽んな・・・」
その掠れた声に、表情に。
煽られたのはサンジのほうだ。
ぞくぞくん、と腰の辺りがこそばゆい。
こいつ、おれに興奮してんだ・・・・・・。
つーか、最初からそのつもりだった、とか・・・・・・??
そう思った瞬間、やっと全てを理解した。
ゾロがこんなことをする理由。
仲の悪いはずの自分をいきなり『暖める』などと言い出した理由。
それが、思い違いでないのなら。
「ゾロ・・・・・・おめぇ、さっきまで、なにしてた?」
サンジが尋ねると、ゾロは目に見えて『しまった・・・』という顔をした。
いつもはっきりとものを言う彼らしくなく、もごもごと口篭る。
「なにって・・あれだ・・・鍛錬・・・」
「うそつけ。 動いててあんなに雪積もるかよ。 ドアの前に、ずっといたんじゃねぇの??」
半分は、カマをかけるようなものだったが、
眉間に皺を寄せて目を逸らす剣士に、それが間違いじゃないことを悟る。
「おれが、『寒い』って言うの、待ってたのか?」
ドアの前で。
雪が降る中。
おれの声に耳を澄ませて。
おれに触る口実を・・・・・・待ってたか?
なぁ、ゾロ?
目を細めて見遣ると、ゾロは怒ったような面で立ち上がり、シンクの方へと歩いていく。
そのまましゃがみ込み、床をぼんっと叩いた。
その拍子に、床板の一枚がひっくり返り、その下に空洞が現れる。
(・・・・・・仕掛け床っ?いつの間に・・・)
そして、ゾロの手に納められたものは、
「なんだ・・・それ?」
可愛らしいピンクの液体の入ったボトル。
「・・・・・・言ったろ。限界だって」
低く唸るゾロ。
どくん どくん と鼓動が早まる。
心臓の音に合わせて荒くなる呼吸を、唾を飲み込むことでなんとか抑えた。
「やっと頭回りだしたかアホ眉毛。おせぇよ」
ボトルのふたを開け、トロリと粘り気のある液体を掌に落としながら
喧嘩腰の声でゾロが言う。
「・・・はっ!んなモン隠し持ってた変態にぁ言われたかないねアホ剣士」
かつてない欲望と興奮の中でサンジは、近付いてくる魔獣に向かって、挑発的な笑みを見せた。
「うぁ・・・っ・・・んぐ・・」
「力入れんなバカ!」
ひっくり返され、四つん這いの体勢で腰を高く上げ、
ぬるぬるとした液体を塗り込められ、
指を、ナカに感じる。
節くれだった太い指を、奥まで入れられゆっくりと抜き差しされて、サンジは痛みに呻いた。
昔、レストランでの噂話で聞いたことはあった。
男同士のセックスはそこを使うと。
その時は「うへぇ〜気っ色悪ぃ。。。」としか思わなかったが、
まさか実地で体験する日が来ようとは・・・。
たっぷりローションを垂らされているとはいえ、もともと異物を受け入れるようには出来ていない器官に捻じ込まれて。
痛くない わけがない。
「ぃ・・・てぇよ・・・クソっ・・・」
「もちっと待ってろ・・・たしか、このへん・・・」
ぶつぶつ言いながら探るように指を動かすゾロを、顔を顰めて振り仰いだ。
(・・・のクソ剣士!余裕なツラで弄くってやがったら ブッ飛ばしてやる!!)
自分ばっかりおたおたしてるんじゃ、バカみてぇじゃねぇか。
そんな八つ当たりにも似たことを思いながら、見た剣士の表情は・・・
真っ赤な顔で、血走った眼で、余裕なんか欠片もなく
ふんふんと鼻息荒く、ただ一点―――――指を飲み込むサンジの尻の孔だけを凝視している。
(・・・・・・いや、見すぎだろ!!)
その瞬間、恥ずかしさにぎゅーーーっとナカの指を締め付けてしまった。
ふがっ!とゾロの鼻が鳴って、息が尻にかかる。
くすぐったさに腰を振ると、いきなり指を二本に増やされた。
「ふぁ・・・・」
喉の奥から抜けるような甘ったるい声が出て、サンジは身を竦める。
やばいくらい痛い。
死にそうに恥ずかしい。
めったくそ痛ぇ・・・。
・・・あれ?・・・・・・痛・・ く・・・ない・・・?
痛みが、全くないわけでもないが、じっくりねっとり弄られているうちに、段々と、違和感のようなものに変わっていく。
違和感が、疼きに変わっていく。
萎えていたはずのサンジ自身も、ゆるゆると再び勃ち上がる兆しを見せていた。
・・・どーなってんの?
さっきまでは、確かに痛みしか感じなかったはずなのに。
いや、ゾロが自分に興奮しているのを感じてしまったせいではない。
決してない。断じてない!!
・・・・・・と思うのだが・・・
「気持ちよくなってきたか?」
「・・・なるか、ボケっっ!!」
小瓶に入ったピンクの液体を再び垂らしながら、なおもくちゅくちゅと内壁を探られる。
「そうか?まあ、待て。・・・もっと手前か?」
事も無げに、しかし鼻息は荒く、にやりと笑ったゾロの指が、ある一点を掠めた。
「う ぁアアッッーーーーー!!」
一瞬、体に電気が走ったみたいに、ビクビクビクッッと跳ねた。
なに!?なに今の!?
「・・・・・・見つけた」
うっし、とガキっぽく笑ったゾロが、そこばかりをコリコリと引っ掻く度に、
「あっイあっ、あぁんっ」
と甲高い嬌声が漏れる。
体が勝手に震え、腰がくねる。
声を殺したくても、そこを触られては我慢のしようがない。
勝手に出てくるのだから。
いつの間にか増やされた指。
自分の秘孔が三本も飲み込んでいるなんて、信じられない。
「おい、あんま締めんな。動かしづれぇ」
「も、む・・り・・・抜け・・・っ」
苦しい。
限界まで開かれた孔が、指が出入りする度に引き攣れるような痛みを伴う。
なのに・・・
少しだけ、ほんの少しだけ・・・・・・
「あ?気持ちいいんだろ?こんな感じやがって」
「ぅアンっ!」
また出た!! エロオヤジ!!!
ゾロに、そういうこと言われると、死ぬほど恥ずかしい!
恥ずかしいのに、言わないで欲しいと思うのに。
指を銜(くわ)え込んだそこが、嬉しそうにきゅんきゅん痙攣した。
「ヒクついてんぞ。そんなにうめぇか?」
「ふ、 ッぅ ン〜・・」
自分だって限界のくせに! さっきからチンコ勃ちっぱなしのくせに!!
おれだけ二回もイカせる気かよ!?
ざけんじゃねぇぞクソマリモ!!
呂律ももう回らないだろう唇を舐め、
サンジは振り返り、潤んだ瞳でゾロを見つめて言った。
精一杯の意趣返しを。
「も、ぞろの・・・コレ・・・いれ、てっ」
瞬間 ゾロの目が、驚愕に見開かれた。
5