冬島。寒い日。ふたりは・・・ 3




 探り当てられた屹立は、既に先走りを漏らし、下着を濡らしている。




 「おめぇ・・・すげぇ濡れてんぞ。乳首、そんなに気持ちよかったか?」

 「―――――!!」

 「こんなにぐしょぐしょにして やらしいな」

 「ひッ!!」


 きゅっと掴まれ、そのまま零れた液を塗りつけるように扱かれる。

 サンジは息も出来ないほどの快感に襲われながら、ゾロの手淫を受ける。

 半泣きになって震えるサンジに、ゾロはにやりと笑って耳元に口を寄せる。


 「漏らしたみてぇにどんどん溢れてくるぜ・・・」


 「あ、あ、あッ・あっ・・・」


 「・・・舐めて、キレイにしてほしいか?」



 「・・・・・・うあああああっっっっ!!!」



 耳元を食まれながら囁かれた言葉に、

 呆気なくサンジは果てた。
















 永遠に続くかと思えた長い放出と、ありえない程の快感の後、

 ようやくサンジは肩で息をしながら起き上がった。


 (ありえねぇだろ・・・・・・クソ剣士に・・・イカされちまった・・・しかもあんな!・・・エロオヤジみたいな言葉でっ・・・)

 突然人が変わったようにべらべらと、思い出すのも恥ずかしい台詞をのたまった腐れ腹巻は、

 見ればサンジが放ったばかりの白濁液を手に、どこか惚けたような面をしている。



 ――― なんでおめぇがボーっとしてんだよ!?

 ショック受けてんのはコッチだっつの!!



 「・・・ぞ・・・!?」

 ゾロ、と声を掛けようとしたサンジは、男の目が細められたのを見て、思わず言葉を引っ込めてしまった。


 ゾロは、サンジに向き直り、精液で汚れたその手を、見せつけるように舐めとった。


 「〜〜〜〜〜〜んぎゃあ!!」

 がーん!!!と、頭を割られたような衝撃が走る。


 「おま!!!なに舐めてんだ・・・!!」

 グイッとその手を引き寄せて詰め寄るのに

 「あぁ。別に、不味くはねぇな。おめぇのだし」

 シレッと言う剣士に、サンジの顔が見る間に赤くなった。




 え・・・え?なに、このヒト、こんな顔して、じつはすげーエロくない!?


 むっつり!? つか、オヤジ!!??


 エロい!!

 ムリ!!

 ムリムリムリ!!!



 ひとりでわたわたしているサンジは、ゾロの手を掴んでいることなどすっかり忘れ、赤い顔のまま目を白黒させた。






















 気温はかなり低いはずなのに、サンジはもう、寒さを感じない。


 体を這う、ゾロの手の熱さしか、感じない。



 肩を押されて再び横たわらされたのに気付いたときには、自分を纏う衣類は既になく、真っ裸な状態だった。


 「うぇ・・・?」


 なんでおれ、脱がされてんの? いつのまに?



 「・・・えと・・・ロロノアさん・・・??」

 「・・・黙ってろ、エロコック」


 なんだか怒ってるような、ゾロの表情に気圧されて、

 (エロいのはおめぇだよ!!!)

 と思いながらも、黙り込む。



 けれど、紅く染まる眼で見られるのは、例えようもなくゾクゾクした。

 まるで、欲情しているように見える、ゾロの魔獣な表情。

 やっぱりこいつはかっこいい。と思っているうちに



 ぐっと足首を握られ、

 脚を開かされ、 

 その間に割り込んできたゾロに

 尻の奥に顔を近づけられ、

 隠れた秘所に熱く柔らかいものが触れた。



 瞬間。



 サンジはやっと理解した。




 これ、あっためてるんじゃなかったんだーーー!!!??? 



 と。














 *****     *****     *****     *****     *****















  コックが、俺の手で、イッた。



 己の掌に粘つく白液を認め、ゾロは多大な感動を覚えていた。



 それは、新技がうまく決まった時や

 静物の『呼吸』を読み、鉄を斬った時に感じたものに似ている。

 ―――心の底から湧く達成感。

 ゾロは恍惚とした気持ちで目を細め、掌に放たれたサンジの残滓を、べろんと舐める。


 (・・・・・・苦ェ。・・・・・・けど、まぁ・・・)

 「別に、不味くはねぇな。おめぇのだし」


 勢いついて腕を掴んできたサンジに思ったままを言ってやると、途端にその肌に朱が散る。

 泣きそうに顔を歪めて、ぎゅぅと唇を引き結び、きょどきょどと落ち着きなくゾロを見ている。


 普段コックが絶対見せない、焦ったような、子供のように無防備極まりない顔をされて、ゾロの気持ちは高まった。

 ついでに下半身も余計昂ぶった。

 気付いたときには、裸に剥かれてすっぽんぽんのコックが目の前に横たわっていた。


 ( ・・・・・・・・・エロい。)

 汗で濡れた金髪も

 切なく顰められたグル眉も

 羞恥に耐えるように潤んだ目元も


 赤く上気した頬も

 吸われてすぎて痕が残った首筋も


 真っ赤に熟れた乳首も


 精液の飛び散った引き締まった腹も


 折れそうに細い腰も



 出したばかりの癖に再び兆しているピンクの性器も




 全身エロい!

 つか、全部可愛い!!

 (ちくしょう!エロ可愛い!!!)


 コックの体を、全身舐めて、吸って、触れていないところなどないほど弄くって撫で擦りたい。

 俺の唾液でべとべとにして、どろどろに蕩けさせたい。




 「ぅえ?」と、イヤらしくも可愛い声をあげるサンジに、黙ってろ、と言うと。

 欲望の赴くまま、サンジの脚を、かっぱり割り開く。

 その目が見たものは、

 小さく、丸みを帯びた白い双丘の奥に色づく、桃色の窄まり。



 まさに、桃源郷。




 (―――――くそっっっ!!!)



 んがぁぁああっと至る所に血が巡るのを感じ、息も出来ないほどの興奮に包まれ・・・・・・・・・

 ゾロは思わず、サンジの尻孔に唇を押し当てた。

 その瞬間。 それまで大人しくされるがままだったサンジが、いきなり暴れだした。






 「やだっ!!やめろ!クソバカ!!」

 身を捩り、掴まれたままの脚を、勢いをつけて振り上げるコック。

 ゾロは突然のことに反応が遅れ、不覚にも、その踵落しを脳天に食らってしまった。


 がつっっっと鈍い音を立て、ゾロの体が床に倒れる。



 「・・・いってぇじゃねぇかエロコック!!!」

 「エロエロ言うな!!エロいのはおめぇだ!!いきなり何すんだこのエロバカマリモ!!!」

 至近距離からの攻撃とはいえ、さしてダメージも感じさせず起き上がったゾロに、コックは怒りも露に罵声を浴びせる。

 先程まで、甘い声を上げながら身悶えていた可憐な男と、とても同じとは思えない。

 「大体、おめぇなにしてんだよ!?嫌がらせにしても度が過ぎんだろ!男のケツ孔舐める趣味でもあったんか!!おめぇホモか!?」

 「・・・・・・・・・あ?」

 ・・・今更、何言ってやがる。


 「あ?じゃねぇよ!意味わかんねぇよ!なんでこんなことすんだよ!!ちゃんと喋れ!!説明しやがれ!言葉くらい話せんだろ獣でもよぉ」





 一言に、どんだけ倍にして返すつもりだ。

 つか、獣は話せねぇよ。

 さっきまで、ひんひん可愛かったくせに、いきなり我に返りやがって。

 おめぇはまだ分かってなかったのか?

 あんな大人しくやられてっから、気付いてるもんと思ってたがな。

 鈍いにも程があるぞ。

 それに、おれぁホモじゃねぇ。




 そう思ったので、全部そのまま口に出して伝えた。



 途端に、口をパクパクさせて真っ赤になるコック。



 「その顔も、可愛いじゃねぇか。」

 喋れ。と言ったのはコックなのだから。

 遠慮なく言わせて貰う。


 今まで、口に出せば、間違いなく罵倒か蹴りが飛んでくるだろうから、黙って胸のうちに秘めていた言葉も。


 「言えっつったのはてめぇだ。後悔しても遅ぇ・・・」

 「ぞ・・・・・・」




 「おれぁ、お前を抱きてぇんだ」


 そう言って、サンジを掻き抱いた。