「入る!!」



 「入らねぇ!!」



 さっきから、不毛な言い争いを続けているのは、



 ゾロとサンジのふたりぐみ。




 
【二者択一】






 「入るだろ!」


 「入らねぇよ状況見てもの言え!」


 「入れてみなきゃわかんねぇだろ!」


 「ぜってー入るわけねぇだろ!んなちっせぇ穴に!!」


 「ちっせぇとか言うな!それだってそんなでかくねぇだろこのうすらハゲ!!」


 「ハゲてねぇ!!つかでけぇよ!どこ見てんだよでけぇだろ!!」


 「がんばりゃ入るかもしんねぇだろ!?」


 「がんばって入るもんでもねぇよ!誰が頑張るんだ、俺か!?」




 『入る』、とわめいているのがサンジで



 『入らない』、と否定しているのがゾロ。





 「いいから入れてみろって!」



 「んなことしたら壊れるぞ!?」



 「壊れねぇよ!!んなヤワにはできてねぇ!」



 じろりと睨みあげるサンジに、ゾロは心底困ったような顔をする。



 「ほんとに・・・いいんだな?」



 「いいから・・・も、っはやく入れろよ・・・」





 待ちきれないような声に、ゾロがごくりと息を飲んだ・・・














































 カツン。

















「・・・バカねぇ、フォーマの携帯電話にエーユーの充電器がさせるわけないじゃない」


 教室の真ん中で、ケータイと充電器を持ったまま溜め息をつく同級生を、



 ナミは気の毒そうに眺めた。





 
 おしまい。

























 
【オマケ】








 「・・・・・・」



 「・・・・・・だから入らねぇっつたろ。あほアヒル。」



 「あああああああ!!!なんでおめぇのはフォーマじゃねぇんだぁぁぁぁぁ!!!」



 「一日充電切れたくれぇで死にゃしねぇ。諦めろ」



 「だってこの間にも由美子ちゃんとかアキちゃんとか梨乃ちゃんから電話鳴ってるかもしれねぇだろ!!」



 「・・・だったらなおさらだ。もうお前、携帯持つな」



 「お、横暴!!てめーにンなこといわれる筋合いはねぇ!!!・・・・・・え?な・・」



 「・・・あ?・・・・・・なんか言ったか俺」



 「・・・・・・なおさら、って、どーゆー意味だ?」



 「そ、そりゃ・・・・・・」



















 「あぁ、うざい、ほんっとうざいあのバカップル」

 昼下がりの教室。
 ナミが笑顔で眉間に皺を寄せた。







 
 おしまいw












入らないらしいです。