【自転車こいで】





ふたりでチャリンコ2ケツして

はじめは、どきどきして、後ろでシャツの裾つかんでたぐれぇだったのに


「ちゃんとつかまとけ」

ってゾロが言うから。


もっとドキドキして。


やべぇおれ、いま顔まっかだ。


初夏の日差しのせいじゃなくて、

広くて、でっかい背中が、

逞しいカラダが、

目の前にある。


ゾロが自転車こぐたびに、筋肉がうごく。


夏服の袖から見える、腕。

太くて、硬い、筋肉の鱗に覆われた・・・



・・・やべぇ。

だきつきてぇ。


腰周りに腕を回しても、おれの腕じゃ、ギリギリ届くぐらい。

それでも、

ぎゅぅぅううう〜〜〜っと、

後ろから、ちからいっぱい抱き締めた。 


あっちぃ背中。

太陽の匂いがする。

でっかい背中。



ゾロ。



「・・・大好きだ。」



と、突然ゾロが急ブレーキかけて、


ぐわって振り返ったと思ったら、


その顔は、耳まで赤くて。


きょと、ってしてたら、

何か言おうとしたのか、口を開きかけたのに、

そのまま、前に向き直ると

「落ちんじゃねぇぞ」

って言って、全速力で走り出した。



・・・・・・照れてんのかな。ゾロが?まっさか〜。


「ゾロぉ?」


「うっせぇだまれ」


「ぞーろ」


「あぁ?」


「ゾロ、好きだ」


「・・・・・このっ、あほが」



「大好き」


「あーーー、家に着くまで、もう黙ってろ!ここで犯されてぇか」


「・・・・はーい」



くすくす笑いながら、返事をすると、


ゾロの背中に、頬をすりよせた。



END





以前に日記にアップしたSSS
「犯すぞ」と「可愛い」はゾロが言うと同義に聞こえますね(待て)