【 初めての・・・ 】
ゾロが、サンジの手をとり囁く。
「おまえ、もしかして初めてか?」
サンジは、それに少々気恥ずかしさを覚えながら、ゆっくり頷いた。
心持ち顔が赤くなっているのが分かる。
「あの・・っ、ゾロ・・」
「大丈夫だ。俺がちゃんと教えてやるよ」
「・・ん」
ゾロがそう言うなら、と、サンジは強張った体から力を抜いた。
「ほら、握ってみろ」
「ゾロ、・・・固い・・っ」
「あぁ、あんま力込めんな、ゆっくり・・そうだ・・・上手いじゃねぇか・・」
上手いと言われた事が嬉しくて言われるまま、力を加減して指を動かすと、先から液が出た。
「うぁ、なんか出てきたっ!」
「・・誰でも出る、これでいいんだよ。ほら、もうやり方は分かるだろ?」
「うん。」
「あんま強く持つなよ?」
「・・・ん。ゾロ、おれ、ちゃんと出来てる?」
サンジは頭ひとつ高いゾロの顔を見上げ、首を傾げた。
ゾロはそんなサンジを目を細めて見遣る。
「あぁ、初めてにしては上出来だ。」
褒められて、サンジはにへっと眉を下げて笑った。
「もうそろそろ・・・だぜ」
サンジの両手を掴み、ゾロが呟いた。
サンジにも、もう少しなのはなんとなく分かる。
だってさっきとなんだか音が違う。
滴る水音が、だんだん大きくなっていくのを、サンジはドキドキしながら、その瞬間を待った。
だが、
「ゾロっだめ・・・なんか・・、やっぱ、怖いっ」
土壇場になって、さすがに恐怖心が芽生えたのか、サンジが潤んだ目でゾロを見る。
「大丈夫だ、怖がんな」
ゾロは、そんなサンジを安心させるかのように、繰り返しサンジの手を撫でた。
その瞬間。
ガコンッ!!
と音を立てて給油ノズルが止まった。
「やった、出来たぜゾロっ!ハイオク満タン!!」
嬉しそうに笑うサンジに、ゾロも笑みを返した。
― おわりv ―
なんでもない日常の一コマも、ゾロサンだとエロいかと・・・(笑)