【 ごめん、あいしてる 】





その眼がどこを向いていようと


誰を見ていようと・・・・誰のことも、見ていなくても


構わないと思った、あの瞬間



あの、遠くを見つめる視線に、

自分のことは決して見ないだろう、その先に

叶うはずもない願いを 欲を 抱いた




どれほど蔑まれようが 拒絶されようが

この気持ちを失くすことが出来ない

悲しいぐらいに 滑稽なほどに


いとおしい、いとおしい、

かなしい、さみしい、くるしい

こころが叫ぶ

迷うことなき純粋な想いと 戸惑うばかりにいたむ現実の日々



いっそ、この手で

夢も、心も、からだも、

その住む世界までも



 手に入れてしまいたい


 壊してしまいたい



じぶんのものにならないのならばせめて


誰のものにもならないで





 いっそ、


 この手で


 すべてなくしてしまえれば





そうして、壊れた世界の中


己のことを見ない眼を−−−−−−永遠に




 狂っていると、嗤いたければ嗤え




「ごめんな・・・・それでも、愛してる」



去っていくその背に


伸ばす腕さえ持たない


その資格を持てない





それでも。


いつまでも、


いつまでも、愛してる


呟きは声にはならず、静かに涙が溢れた