●妄想10cm○○バトンを SSにしてしまえ計画●

ロロノア×10cmサンジでお送りいたしますvv



【1.目覚めた時10cmの【サンジ】があなたの顔を覗きこんでいました。どうしました?】



泊まっている宿の一室で目を覚ましたロロノア・ゾロ。

寝惚けながらも、昨夜 抱き締めて眠ったはずのコックを手探りで探す。


・・・・・・いねぇ・・・。

バチッと目を開くと、視界にある・・・見慣れた金髪コ・・・ック?? 


「・・・おめぇ、何してんだ?」

「しらねぇよ・・・目ェ覚めたらこうなってた」


目の前の、・・・頭の横から身を乗り出すようにして覗く、

わずか10センチほどの小さな小さなコック。


さすがグランドライン。なにが起きても不思議じゃない。

ゾロはただ呆然と目を丸くして、すっぽんぽんな彼の、その仏頂面を眺めた。



【2.10cm【サンジ】をあなたは飼いますか? 】


飼うとか飼わねぇとか、そんなのは問題じゃねぇ。

こいつは俺のもんだからな。

手放す気なんかはなから無ぇ。



ハンカチを体に巻きつけたサンジが、困ったように呟く。

「おいマリモ、どーすんだよコレ」

「あ?どーせしばらくすりゃ元に戻んだろ」

「気楽すぎんだろおめぇは!!」

小さくなったサンジ本人よりも、

堂々と言ってのけるゾロに、サンジの眉間に皺がよる。

それも微妙すぎて見えないが・・・。


「今敵襲とかあったら、ぜってーやべぇだろ!!
誰がナミさんたちをお守りすんだよ!?」

「あぁ?心配しねぇでも、あいつらもうまくやるだろ。
今はちょうど島にいんだから、しばらくここにいりゃいいじゃねぇか」


どうせログが溜まるまでのあと2日、自由にしていいんだ。


「いやそーじゃなくて・・・・・・」

「いい機会じゃねぇか、ちったぁ休めよお前も。
いつもなんかやってて、全然休んでねぇだろ?」

「あ・・・う、あぁ・・・分かったよクソっ」


サンジが休めない原因の半分を担うゾロに言われて、サンジはおとなしく頷いた。

そのあいだのこいつの面倒は、見ねぇとなァ? とマリモがほくそ笑んでることも知らずに。



【3.10cm【サンジ】がお腹すいたと主張しています。あなたは何を与えますか?】


「腹減ったって・・・おめぇ何食うんだ?」

「・・・メシだろ。それ以外に何があんだよ」

「たしか、ここの一階、メシ屋だったよな。うし、なんか貰ってきてやる」

「あぁ。サンキュ・・・・・・って、服は着てけーーー!!!!」


 
ゾロは宿の一階のメシ屋から、朝食を分けて貰い、

ひとつひとつ小さくちぎってサンジに渡してやった。


サンジが、何かを食べている姿、というのが珍しくて、ゾロは自分が食べるのも忘れ、見いる。

「うめぇか?」

「・・・おれが作ったもんのが百万倍うめぇよ」

「は。違ぇねェな」

ニカッと笑ったゾロを、ちいさなサンジは、驚いたように見た。

初めてコックの料理を褒めたことに、ゾロは気付かなかった。 



【4.10cm【サンジ】がトイレにいきたがってます。どうしますか? 】


「・・・・・・なぁ・・・」


「あ?今度はなんだ?」


「・・に・・・てけ・・」


もじもじと、言いにくそうに口篭るサンジ。


「あ?聞こえねぇぞ。はっきり言えよ」


 
「っ。トイレ連れてけっつってんだ!!はやくしろよハゲ!!」



人にものを頼む態度じゃねぇな・・・。

ニヤンと笑ったゾロが、サンジを持ち上げ、その耳元に何かささやく。

途端、サンジの顔が真っ赤に染まった。


「へ・・・変態!!」

「なんとでも。 ほら、言え。」


サンジは、ゾロに言われたとおりに呟く。

ゾロの顔がだらしなくニヤケた。


「よくできました」

「・・・んじゃぁ、早く行きやがれっっ!!!」  

ちっとも痛くないとび蹴りを食らいながら、

ゾロはサンジをひょいっとつまんで、バスルームへと向かった。



【5.10cm【サンジ】が風呂に入りたがっています。どうしますか? 】


「ありえねぇ。恥ずかしすぎんだろコレ・・・」


いまだに真っ赤になったままぶつぶつ呟くサンジ。


小さいサイズだからこそ、ゾロに手伝ってもらわないと出来ない、
ということに気付いていなかったサンジ。
 

もっとすげぇこといっぱいしてんだろ、なにをいまさら・・・。
と、からかいながらも嬉しそうなゾロ(変態。)



「なぁ、ついでに風呂いれてやろうか?」

「は!?っえぇええ!?」

驚いて目を真ん丸に見開くサンジの、体に巻かれたハンカチを奪う。


「ちょ!!何考えてんだっ!?」


「あ?昨日そのまま寝たから、ベタついてんだろ?キレーにしてやるよ」


「いい!!遠慮しとく!! つか、自分で入れる!!!」


「無理だろ。遠慮すんなって。んなちっさきゃやりにくいだろ?おれが洗ってやるよ」


ついでに、いろんなもん掻きだしてやんねぇとな。


と、自分も服を脱ぎ、無理やりシャワーを浴びせた。





「うわ、や、やめっ!!あ、あぁぁああああああ−−−−−−−−」






【6.10cm【サンジ】と初デート!どこに連れていきますか?】



ぜぇぜぇと荒い息を吐き、疲れきったサンジに、再びハンカチを巻きつける。


「どうした?元気ねぇな」


「お・・・ま、バカっ・・か・・・」


「ん?さっぱりしたろ?」
 

ほんわりとピンクに染まったほっぺたをつついて、やけにニコニコしているゾロに、

サンジもそれ以上言う気が失せたようで(と言うかもう諦めて)ゾロの好きにさせた。






「あーーっクソ!おれ、ずっとこのまんまここにいなきゃなんねぇのかよーー」

と。  

昼をすぎて退屈になったサンジが言ったので、

ゾロはサンジを連れて出かけることにした。

少しでも気分転換したほうがいいだろうと。




その際、

「腹巻ン中はぜってー嫌だ!!それ何日洗ってねぇんだよ!?」

とか、

「おれが道言ってやんねぇと、また迷子になんだろクソ剣士!!」

とかうるさいので、持ってきていた一張羅のシャツの胸ポケットにサンジをしのばせ、ジャケットで隠し。

刀と腹巻は泣く泣く外し、黒いズボンを穿くことにした。






そんなに大きくはない街を、サンジを胸に歩く。

時々

「あ、そこ左な」

「おう。」

「・・・って右に行ってんじゃねぇよ!左だっつってんだろ!!」

「だから、左だろ?」

「違ぇ!!うぉ、来た道に戻んじゃねぇアホ緑!!」

と、繰り返し言い合いながら。


他人から見ればゾロは、

一人でなにやら叫ぶアブナイ人に見えることこのうえない。


せっかくビシッと決めてカッコイイのに、とサンジは呆れて思った。




途中、見かけた公園のベンチに座り、買ってきたパンにソーセージをはさんだものを二人で食べた。

パンをちぎって、その上に小さく噛み千切ったソーセージをのせた『ミニホットドック』を、サンジはぺろりとたいらげた。


「んなちっけー体のどこに入んだその量が」

「知るか、食えるもんは食っとかねぇとな。なんかこの体、やたら体力消耗すんだよなぁ〜」

サンジがそう言ったので、『ちっこいサンジ、すげーカワイイな』と思っていたゾロも、少し顔を引き締めた。


「・・・今も、しんどいか?」

「あ? なに気ぃ遣ってんだ、らしくねぇぞマリモマン。おれぁ平気だ。」


んなこと言って、こいつぁ自分が辛いときは、ちっとも頼らねぇ。

サンジが無茶をしでかすたびに、胸と腹を同時に斬られたような痛みが走るのだ。

他人をかばう前に、まず自分のことを大事にすりゃいいのに。




ゾロは、ポケットのサンジの頭をぽんぽんと叩くと、立ち上がった。


「・・・もう帰るのか?」

「あぁ。・・・んだ?そのツラぁ」

寂しそうな、すがるような顔でおずおずと見上げてくるサンジに、ゾロは苦笑する。

「や、だってさ。おめぇとこんなゆっくりすごせるなんて、めったにねぇからさ」

そう言って俯くサンジが可愛くて愛しくて。


このまま抱き締めたくなった。



【7.最後の質問!10cm【サンジ】がいたらあなたはどう思いますか? 】


いや、今抱き締めたら、潰れっちまうなコイツ。

ゾロは残念に思った。

でかいままのサンジなら、抱き締めようが、なにしようが壊れねぇのに。


(とにかく宿に戻って、チョッパーにでも診せるか・・・)

無性に、いつものサンジの蹴りを食らいたかった。


 
宿の部屋に入り、ベッドの上にサンジを下ろす。

「チョッパー呼んでくっから、ちっと待ってろ」

「・・・えっ?」

「そのまんまじゃ、おめぇがつれぇんだろーが」



今日一日、やけに甲斐甲斐しかったゾロに、

『もうちょっとこのまんまでもいっかな〜』などと思っていたサンジは

少し寂しそうな顔をして。

「ゾロぉ、あともうちょっと、このまま一緒にいてくんね?」

いつもは言えない甘えが、するっと出ていた。



それに驚いたのはゾロのほうだ。

そしてちょっと、いやかなり、幸せを噛み締めた。

「あぁ。ちっとだけな」

ゾロはベッドに腰かけ、両手で包むようにサンジを持ち上げると、

その肩口に口付けをおとす。

サンジがくすぐったそうに身を捩って笑った。


「ば〜か、ソコじゃねぇだろ。」

ん、と目を瞑ったサンジに、

口ン中に入れて舐めしゃぶりてぇ!!!

という衝動を必死で耐え  


ゆっくりと、触れるだけのキスをした。




唇を離した瞬間。


ぼふん、とベッドが揺れる衝撃。
 

目の前に、というかゾロの膝の上に、


金髪コックが裸で座っていた。 





「は?どーなってんだ!?戻っちまったぞ!?なんで!!??」


「・・・・・サンジ・・・」


目を白黒させて驚くサンジを、


ゾロは、あらん限りの力で抱き締めた。


「ぐぇええ!!!くるし・・・っっ」



やっぱり、こいつはでかいほうがいいな。

いつものコックが一番いい。



息苦しくなったサンジにコンカッセを食らうまで、

ゾロはサンジを抱き締め続けた。









グランドラインの摩訶不思議。


お姫様の呪いを解くのが王子様のキスだというのは、いつの時代もお約束。





めでたしめでたし♪












どこがめでたしか(笑)